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Special Interviews
  お客様(とくに女性)は「楽しさ」や「遊び心」を求めています。お客様の求めている感じがヒシヒシとわかるので、バッグの裏地にシャツのポケットを付けてみてはどうだろうか、裏地が着替えられたらおもしろのではないかと、デザイナーと話している間にできた商品です。好きな商品をつくりたいという思いの一方で、こういうお店をつくったもうひとつの理由は、「藤巻はいろいろやっているけれども、得体の知れない人」だと思われたくない。やはり、何か実体のあるものを持ちたかった。つまり、藤巻は「シャツ屋らしいよ」と言ってもらえればそれでいいと思い、ここ「CRUM」を開店させたのです。
―― アパレル以外で、今後取り組みたいお仕事は何かおありですか?
藤巻氏: 実は、僕、ファッションのプロではないと思っています。たまたま入った世界が婦人服のバイヤーだっただけ。企業経営や小売ビジネスの研究に携わったり、本を書いたりしていますが、本質は人と人を繋げることが好きなのかもしれません。たとえば、今、日本があまりいい状況ではありませんが、これから日本に必要な産業は「観光」と「エンタテインメント」と「農業」ではないかと思っています。なぜ「観光」なのかというと、日本人はハワイなどへどんどん出かけますが、国内にもたくさいいところがありながら、なかなか出かけない。地方の人たちがブランディングに長けていないためであり、そこをサポートさせてもらえば非常に大きな成長が見込めるからです。また、「エンタテインメント」というのは吉本のお笑いという話ではなく、素敵な洋服をちゃんと見せられるようなパーティの場とか、カジュアルであったらカジュアルなパーティを開催することでマーケットが活性するのではないかと考えています。そして「農業」については、これまでの慣習上さまざまな問題を抱えていて、それは人と人とのつながりを調整してあげることでずいぶん改善されるだろうと考えています。つまり、異業種間のリンケージや仕組みづくりでそれをサポートできます。僕の考える「農業」は効率的に利益を上げるビジネスのことを言っているのではありません。人と人をつないで、結果お金が動くというもの。僕としては地方へ出かけたとき、産地で収穫される旨いものが食べられるだけで十分。僕の自慢できる財産は唯一「人脈」。30年近いキャリアを通じて、ものすごくいい仲間ができました。それをうまく繋げてあげたい。自分はbatakのジャケットを着て、友人がやっている店で旨いものが食えれば、あんまり過度な贅沢なんてものはいらないし、そんなものには興味もありません(笑)。
CRUMイメージ
藤巻幸夫氏/株式会社フジマキジャパン 代表取締役副社長。伊勢丹で婦人服バイヤーとして頭角を現し、老舗企業「福助」の企業再生役として同社の社長・会長に就任。イトーヨーカ堂取締役を経て、自らの会社「フジマキジャパン」を設立。
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