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Special Interviews
いい人と出会うこと、そして自分の実体験を大切にすること。
―― 歴戦のバイヤーであり、アパレルの裏の裏まで知り尽くしている藤巻さんが、batakと出会った経緯は?
藤巻氏: スタイルという言葉がありますが、それを確立するにはまず中身だと思います。いい洋服を手に入れても「板に付く」という言葉があるように、「板に付く」ためにはその人なりの生き様をつくりあげる必要がある。だから、生き様と洋服の整合をすごく意識します。僕はメンズ・ウエアの専門家ではないので明確なことは言えませんが、「板に付く」ためのアプローチはいろいろあるでしょう。しかし、結果としてその人の生き様と洋服がうまく融合・昇華したところで、その人なりのひとつのカタチになっていくことは確かです。そんなことをおぼろげに考えていた頃、仕事をしていた相棒にbatakの話を聞いたわけです。最初は僕にとっては敷居が高い店でした。値段がわからない、僕自身スーツに一家言を持っているわけでもない。ただし、そろそろ40代に突入し、企業のトップの責務を仰せつかっていたので、いいスーツを一着つくりたいと思っていたわけです。僕はレディス・ウエアのバイヤー上がりですので、可愛い色、あるいは色がもたらす心のザワメキのようなものにすごく敏感であると自認しています。ですからエレガントなスーツにありがちな黒い裏地がどうも好きになれない。そういう重厚なセンスが「板に付かない」ことは分かっていました。むしろ、ベージュとかサックスブルーとか可愛らしい色が好きで、チャーミングな色合いの裏地を使ったスーツなら自分に合うという確信があった。そこで、メンズ・ウエアに精通していた相棒に相談したら、batakへ裏地を持って行けば好みに合わせてテーラリングできると言う。そういうことなら「おもしろいな」と興味を持つようになりましたね。これが、はじめてのビスポーク体験だったわけです。
藤巻 幸夫氏
PHOTO BY TETSU TANAKA
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