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Special Interviews
Kanpai of Tokyo
南部を中心に出店し、人気店としての名をとどろかせている「カンパイ・オブ・トウキョウ」の米国公式サイト。創業が73年だから、今年で37年目を迎える。
―― 佐々木さんの、今のテーラーであるbatak との出逢いは?
佐々木氏: 僕は、夜や日曜祭日に東京中を歩いているんです。長いときには6時間ぐらい。以前たまたま三田からずっと歩いて渋谷を抜け、代官山まで歩いていたんです。ちょうどその頃、僕のニューヨークのテーラーが脚をケガしていて仮縫いに立ち会わなくなったから、ちょっと嫌気がさしてきていた。で、日本のテーラーだって最近はかなり優秀な人がいる、という噂を聞いてはいたんです。そんな時に、代官山を歩いていたら突然batakが目に入った。スーツを観たら僕の好みなんですね。で、その場で予約なしの飛び込み。いちばん最初は戦後流行ったホームスパンという生地で作れないか、と聞いたら中寺さんが作れますと応えたのが付き合いの始まり。以後、今日までずっと作り続けてきた。早いものでもう5年。その間は、ずっと中寺さんだけにつくってもらっています。もうニューヨークはお見限り(笑)。
―― 東京中を歩くとおっしゃいましたが、その理由は?
佐々木氏: 20年くらい前から糖尿病を抱えていまして、医者の薬を飲んでいるだけでは治らないだろうから、自分で治そうと思って歩き始めたんです。最初の頃は一晩に10km。だんだん忙しくなってきて、今は6km〜8kmくらい。それと並行して「ゴールドジム」にも通っています。75歳で「ゴールドジム」へ通い、バーベル挙げたり、ダンベル挙げたりしているなんて僕だけ(笑)。メンバー最高齢。だから、ジムの支配人から辞めないでくれって言われていますよ。一時は、三田から1時間半歩いて、「ゴールドジム」で1時間トレーニング。その後もまた歩いて帰る。深夜の12時を過ぎてしまうこともあります。それを続けているから皆さん驚くんです。年配の気の合うジムの掃除のオバサンが、「佐々木社長、皆さん言ってますよ、社長は歳をごまかしている」って。普通、2時間トレーニングした人は帰りにタクシーか電車やクルマで帰る。僕は表参道を歩いて帰る。行きも帰りも。だから、大抵のことは疲れません。
―― 糖尿病なら、そんなにハードな筋トレしなくても?
佐々木氏: なぜハードなトレーニングするかというと、洋服が似合わなくなるからです。歳を取れば必然的に筋肉は落ちてくる。だから僕は、あと1年半鍛えたら背広は全部寸法直しでしょう。あるいは新調か。中寺さんはうまいこと言った。「美味しいものを食べて体重が増える。これは洋服を作り直さなくてはいけない原因。運動で体重が増えた場合は洋服を作り直さなくても大丈夫だ」と。僕は筋肉トレーニングをして体重が1年で3kg増えた。ところが今着ているのは5年前に2回目に作った背広ですが、不都合なく着られる。「3kgは筋肉なんですよ」と中寺さんは言う。これは卓見だと思います。うまいものを食って体重が増えたら、それはメダボ。僕の胴回りはまったく変わっていないんです(笑)。
身嗜みも同じだと思っています。70代になってもやはり身嗜みには気を遣い続けたい。例えば、化粧品は「サンタマリア・ノベラ」を使っています。600年の歴史のある修道院がフィレンツェにあって、そこの尼さんが作っている化粧品です。オーデコロンも「サンタマリア・ノベラ」。フレグランスには凝ります。だから、加齢臭なんてしないと思いますよ。歯も毎月、歯科医にクリーニングしてもらっていますし、下着から何から自分の納得がゆくものしか選びません。よく歳を取るとお洒落しなくなり、家に引き籠もる人もいらっしゃいますが、僕はあらゆる意味で現役を続けたいですね。死ぬまで最高のお洒落を楽しむつもりです(笑)。
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